時代を超えて愛される「文庫結び」は、左右の羽根の長さと角度で印象がガラリと変わる。清楚で愛らしい王道スタイルだが、羽根を少し斜めにずらしたり、中心にひだをひとつ多く寄せるだけで、ぐっと大人っぽい表情に仕上がる。左右対称にこだわりすぎず、あえてアシンメトリーに散らすのが今の気分だ。
一方で、粋で落ち着いた佇まいを好む層から支持を集めているのが「貝の口」だ。角帯のようにフラットで立体感が控えめなため、人混みでも邪魔にならず、電車の座席や車のシートに気兼ねなくもたれかかれる実用性を持つ。凛とした直線美は、ジェンダーレスに浴衣を楽しむ人々にとっても頼もしい選択肢となっている。