手づくりのハードルとして最も多くの人が口を揃えるのが、「白カビの発生」や「意図しない過発酵」による失敗だ。せっかくの上質な素材を台無しにしないためには、二つの急所を押さえなければならない。
第一に、保存瓶の煮沸消毒と「完全乾燥」の徹底。どれほど瓶を熱湯消毒しても、内側にわずかな水滴が残っていれば、そこから雑菌が繁殖する。熱湯から引き上げた瓶は清潔なリネンの上で自然乾燥させ、仕上げに食品用アルコールを吹きかけて完璧を期す。レモン自体も表面を塩でもみ洗いして流水で流し、ペーパータオルで一滴の水分も残さず拭き取ることが鉄則だ。
第二に、果実を空気に触れさせないこと。仕込みの初日はレモンが浮き上がりやすいため、清潔なスプーンで上下を静かに撹拌するか、表面を覆うように蜂蜜を回しかける。冷暗所で2〜3日寝かせ、水分が抜けてレモンがしんなりと沈んだら、迷わず冷蔵庫の野菜室へ移す。10℃前後の安定した低温環境に置くことで、発酵・保存食としての健全な状態をキープしながら、ビタミンCの酸化劣化を最小限に食い止めることができる。