永久歯の犬歯は通常、10歳〜12歳頃に生え変わります。しかし、親知らずに次いで骨の中に埋まったまま生えてこない「埋伏(まいふく)」が起きやすい歯でもあります。
犬歯が生えてこない主な原因には以下の要因が挙げられます。
- 萌出経路の長さとスペース不足:上顎の犬歯は鼻の横あたりの非常に高い位置から時間をかけて降りてきます。周囲の歯が先に並んでしまうと、生える隙間が失われて骨の中で引っかかります。
- 乳犬歯の晩期残存や早期脱落:乳歯が適切な時期に抜けなかったり、虫歯等で早く抜けすぎたりすると、永久歯の進路が狂ってしまいます。
- 歯胚の位置異常:もともと歯の卵(歯胚)が傾いた場所に形成されているケースです。
犬歯の埋伏を放置すると、埋まった犬歯が隣の前歯(側切歯)の根っこを押して溶かしてしまう「歯根吸収」を引き起こし、健康な前歯まで失う危険性があります。中学生になっても乳歯の犬歯が残っている場合や永久歯が生えてこない場合は、歯科用CTによる早期の精密検査が欠かせません。外科的に歯肉を開いてボタンを装着し、ワイヤーで引っ張り出す「開窓牽引(かいそうけんいん)」によって正しい位置に誘導する治療が一般的です。