ビジネスマナーの基準づくりを担う公益財団法人実務技能検定協会が主催する秘書技能検定のテキストや過去問においても、言葉遣いの適切さは常に最重要項目の一つに挙げられる。そこでは、単なる正誤の判定以上に「相手や状況に応じた適切な言葉の選択」が厳格に問われる。
人材育成・社員研修業界の最前線でも、指導方針のアップデートが進む。かつては「丁寧であればあるほど良い」とされた時代もあったが、現代の研修現場では「過度な敬語によるスピード感の喪失や不自然さ」を是正するプログラムが主流だ。
「電話応対や受付業務の現場では、ファーストコンタクトでのみ『左様でございますか』を用い、その後の対話ではより柔軟な相槌へシフトさせるのが基本設計です。言葉の階層が固定化すると、血の通ったビジネスコミュニケーションが成立しなくなるからです」――大手研修機関の専任講師はそう解説する。