むつ市の天候が短時間で劇的に変化する背景には、下北半島ならではの地理的・地形的要因が深く関係しています。東側に広がる太平洋、西側の平舘海峡および津軽海峡、そして南側の陸奥湾という3つの海域から絶えず異なる性質の湿った空気が流れ込み、中央部の山並みにぶつかることで局地的な雨雲や雪雲が急速に発達します。
初夏から夏にかけてむつ市を含む下北地域を覆うのが、オホーツク海高気圧から吹き込む冷たく湿った北東の風「やませ」です。この冷風が太平洋側から流れ込むと、市街地は一気に濃い霧(海霧)に包まれ、真夏であっても最高気温が20度を下回る低温現象を引き起こします。一方で、西高東低の冬型の気圧配置になると、日本海から津軽海峡を渡ってきた雪雲が陸奥湾沿岸や山沿いに激しい雪をもたらし、わずか数時間で視界を奪うホワイトアウトや急激な積雪をもたらすケースが珍しくありません。