小樽市の中心部から車を西へ走らせること約30分。岬の先端へと続く細い坂道を登りきると、目の前に広がる大パノラマとともに、木造の味わい深い建物が現れる。オーナーシェフの丹野隆氏が手掛ける「エグ・ヴィヴ」だ。フランス語で「生きた水」を意味する店名の通り、ここにはパンの生命力が満ちあふれている。
丹野氏が追求するのは、素材本来の力を極限まで引き出すこと。北海道産の厳選された小麦、清らかな水、そして自ら薪を割って焚き上げる自家製の薪窯。効率とスピードを最優先する現代のベーカリー業界とは対極にある、泥臭いまでの手作業が唯一無二の存在感を放つ。