中山間地域が直面する課題は深刻だ。人口減少や公共交通機関の維持、耕作放棄地の増加など、課題を挙げればきりがない。しかし、現地で取材を続けるなかで見えてきたのは、決して悲観的ではない住民と行政の連帯感だった。対話集会やワークショップを通じて収集された住民の声は、速やかに町の施策へと反映されている。
地域コミュニティの再編や福祉ネットワークの強化など、現場目線での工夫が随所に見られる。行政主導のトップダウンではなく、現場の声を取り込むボトムアップ型の町づくり。仁多郡の厳しい自然環境下で、住民一人ひとりの暮らしを守るための柔軟なアプローチが、一歩一歩着実に実を結びつつある。