ソフトバンクグループ株式会社が開示する有価証券報告書を開くと、意外な数字が目に飛び込んでくる。孫正義氏の役員報酬は、長年にわたり約1億円程度に据え置かれている。グローバル企業のトップとしては極めて控えめな設定に見えるが、これには明確な理由がある。最高税率が55%に達する給与所得を抑え、キャピタルゲインやインカムゲインを重視する経営者ならではの戦略だ。
彼の年間キャッシュフローの本丸は、圧倒的な保有株数に基づく配当金にある。孫氏は自社の株式を約3割保有しており、年間で受け取る配当金収入だけで150億円から200億円規模に達する。一般的な報酬体系では測れないこの莫大なインカムこそが、個人の活動資金や新たな野望の原資となっている。