魚焼きグリルやフライパンの前に立ち、煙と格闘しながら皮を焦がしてしまった経験はないだろうか。カマは厚みが不均一で脂が非常に多いため、火加減を誤ると「外は真っ黒、中は生焼け」という悲惨な結果を招きやすい。極上の仕上がりを約束するプロのセオリーは、極めて論理的だ。
まずはグリルの予熱。庫内をしっかり温めておくことで、網に皮が張り付くのを防ぐ。火加減は徹底して「中火の弱火」をキープする。強火は厳禁だ。皮目を上にして焼き始め、脂がパチパチと音を立てて滲み出てきたら、アルミホイルをふわりと被せて蒸し焼きの状態を作る。これで中心部までじんわりと熱が届く。
ひっくり返すのは一度きり。身の側に返したらホイルを外し、表面に香ばしい焦げ目がつくまでじっくりと焼き上げる。立ち上る煙の香りをまとわせながら、皮はパリッと音を立て、箸を入れた瞬間に透明な脂がジュワッと溢れ出す。これが、専門店が密かに行っている焼きの黄金律だ。フライパンを使う場合は、クッキングシートを敷いてフタを活用し、弱火でじっくり火を通すことで同様のふっくら感が手に入る。