社会現象となった名曲『Butterfly』は、第47回日本レコード大賞の栄冠に輝くという快挙を成し遂げた。下積みを重ねてきた一人のアーティストが、名実ともに頂点へと上り詰めた劇的な瞬間である。しかし、あの華やかなステージの裏には、知られざる泥臭い葛藤と綿密なクリエイティブの攻防が存在していた。
楽曲の旋律を手掛けたのは、新進気鋭の作曲家・渡辺未来氏。当時、レーベルであるエイベックス・エンタテインメントの制作陣は、単なるディスコ調のトラックではなく、ライブ会場全体を一度に揺らすような中毒性の高いメロディラインを求めていたという。試行錯誤の末に生み出されたサビのフックは、一度聴いたら耳から離れない強烈なインパクトを宿すことに成功した。過密スケジュールの中で行われたレコーディングでは、細かなボーカルのニュアンスに至るまで妥協なき追求が重ねられ、あの唯一無二の艶やかさとエネルギッシュなボーカルが完成したのだ。