マゴチは歩留まり(可食部の割合)が約35〜40%とやや低めな魚ですが、頭部や中骨といった「アラ」、さらには新鮮な「内臓」にこそ濃厚なエキスと旨味が凝縮されています。これらを余すことなく使い切ることで、マゴチの真価を100%体験できます。
頭部や骨をぶつ切りにしたアラは、必ず熱湯を回しかけて冷水に取る「霜降り処理」を行い、血の塊やぬめりを丁寧に洗い流します。このひと手間を惜しまないことが、生臭さを完全に消し去る秘訣です。
昆布出汁と少量の酒でじっくりと煮出し、塩と薄口醤油だけで味を整えた「潮汁」は、透明なスープの中に驚くほど分厚いコラーゲンと旨味が溶け出します。味噌仕立ての「アラ汁」に仕立てれば、マゴチの骨から出る濃厚な出汁とネギの風味が調和し、料亭の締めの一杯に匹敵する極上の味わいに仕上がります。
さらに、釣獲直後などの極上鮮度の個体からしか取れないのが「肝(レバー)」と「胃袋」です。肝は血抜きをして酒蒸しにし、もみじおろしポン酢で和えれば、アンキモにも劣らない濃厚でクリーミーな「肝ポン酢」になります。胃袋は包丁で開いて塩揉みでぬめりと汚れを徹底的に洗い落とし、熱湯で30秒ほどサッと茹でて冷水に取れば、コリコリとした独特の食感が病みつきになる「胃袋の湯引きポン酢」として楽しめます。