うちわ制作初心者が陥りがちな最大の罠が、「SNS映えする可愛い配色」をそのまま会場に持ち込んでしまうことです。自宅の蛍光灯の下で綺麗に見えるパステルピンクやミントグリーンは、ドームの巨大照明が当たるとコントラストが完全に消失します。
1. ホログラム・グリッター素材の乱用による反射事故
「キラキラ光れば目立つ」という誤解からホログラムシートを文字全面に貼るケースが見受けられますが、ステージ側の強烈な照明を反射して「乱反射による白光り(ハレーション)」を引き起こし、タレント側からは文字の形が一切見えなくなります。さらに、多くの主要事務所や興行主催者の公式規定では、「周囲の観客の視界を妨げる反射素材(ホログラム・鏡面シートなど)の使用禁止」が明記されています。規定違反による没収や入場不可リスクを避けるためにも、マットなカッティングシートや蛍光ペーパーの採用が基本です。
2. 暗所視における「プルキニエ現象」の無視
人間の目は、暗い場所では長波長(赤)に対する感度が低下し、短波長〜中波長(青・緑・黄)に対する感度が高まる「プルキニエ現象」が生じます。暗転中のドーム内では、情熱的な「赤色」は想像以上に黒く沈み込みます。メンバーカラーが赤や紫の場合、文字本体を赤にするのではなく、「蛍光黄色の文字に赤色の外フチをつける」というアプローチを採るのが、視認性を損なわずに推し色をアピールするプロのテクニックです。