青果市場や産地直売所の仕入れ現場を取材すると、冬場に流通するかぶの約30%の重量が「葉と皮」として廃棄されている実態が浮かび上がります。しかし、日本食品標準成分表の数値を精査すると、葉の部分には根(白い部分)の約3倍のカルシウム、約5倍のビタミンCが含まれており、栄養学的観点からも廃棄は極めて非効率的です。
農家の台所で受け継がれているかぶの葉漬物は、まさに知恵の結晶です。小口切りにした葉に熱湯を回しかけて軽く青臭さを飛ばし、水気を絞った上で「刻み生姜・塩昆布・醤油・いりごま」で和えることで、ご飯が進む極上のふりかけ風浅漬けに仕上がります。
直売所で束買いした際のかぶの漬物大量消費戦略としても、この葉と厚く剥いた皮の活用は欠かせません。厚剥きした皮は細切りにして天日干しにするか、あるいは唐辛子を効かせた醤油漬けに回すことで、根の柔らかさとは対照的な「ポリポリ」とした心地よい咀嚼音を生み出す酒肴へと生まれ変わります。