酒造りの歴史が息づく魚崎や御影の蔵元エリアを歩くと、漂ってくる香ばしい麹の香りとともに、太陽光パネルや最新のバイオマスプラントが目に入る。灘五郷の一角を担う創業数百年の老舗酒蔵では、醸造過程で生じる副産物を100%リサイクルし、エネルギー自給率完全100%を達成した取り組みが世界中から注目を浴びている。
単なる酒造りの枠を超え、ラグジュアリーなガストロノミーツーリズムの拠点へと進化を遂げた酒蔵も少なくない。週末になると欧米やアジア圏からの海外旅行者が、伝統的な木造蔵の中でペアリングディナーを楽しむ姿が当たり前になった。伝統を守るために最新のテクノロジーを貪欲に取り入れる。この柔軟な姿勢こそが、地域のブランド価値を極限まで高めている原動力だ。