近年、NHK『あさイチ』などの生活情報番組や、YouTubeのDIYチャンネルで「魔法の防虫スプレー」としてハッカ油が取り上げられる機会が爆発的に増えた。手軽さが強調される一方で、見過ごされがちな危険性も浮き彫りになっている。
最も頻発しているトラブルが、スプレー容器の材質選びだ。ハッカ油に含まれる成分は、ポリスチレン(PS)などの樹脂を短時間で溶かしてしまう性質を持つ。100円ショップの安価なスプレーボトルに原液を注いだ結果、容器の底が抜けたりノズルが目詰まりしたりする事故が動画のコメント欄でも散見される。選ぶべきはポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、あるいは遮光ガラス瓶のみ。知識のないままトレンドを真似ることには一定のリスクが潜んでいる。
また、衣類に直接大量に吹き付けたことで変色を招いたり、車内などの密閉空間に放置して熱で容器が破裂したりといったミスも後を絶たない。道具の特性を正しく把握することこそ、トラブルを避ける防波堤となる。