医療現場の取材や患者コミュニティ(SNS・当事者手記)の調査において、極めて切実な声として浮かび上がるのが、周囲から理解されにくい「見えない病気」としての精神的孤立です。
「外見上は普通に見えるため、激しい全身のだるさや関節痛を『怠け』や『更年期の甘え』と誤解され、職場や家族の中で居場所を失いかけた」「外出時は常に水筒と目薬を持ち歩かなければパニックになる」といった告白は、決して一部の極端な例ではありません。病態による直接的な肉体的苦痛に加え、社会的無理解という二重のストレスが患者に重くのしかかっています。
一方で、気になる「予後と寿命」について客観的な事実を整理すると、過度に絶望する必要はありません。難病情報センター等の長期追跡調査によれば、他臓器への重篤な浸潤がない原発性シェーグレン症候群の場合、生命予後(寿命)は健常者とほぼ同等であることが実証されています。
注意すべきは、疾患そのもので命を落とすことではなく、放置による合併症(間質性肺炎の急性増悪や悪性リンパ腫、腎不全など)の看過です。定期的な血液検査、胸部CT、尿検査を受け、炎症の兆候を早期に捉えてコントロールしていれば、多くの患者が発症前と変わらない社会活動を継続できています。