物語中盤から描かれた佐倉杏子との関係性は、作品の根底にある「他者のために生きることの難しさ」を鮮やかに浮き彫りにしました。当初、利己的に生きる杏子と、利他を貫こうとするさやかは激しく衝突します。しかし、杏子もかつては家族のために奇跡を願い、破滅した過去を持っていました。
かつての自分を見ているかのようにさやかを案じる杏子と、頑なにその手を拒むさやか。すれ違いの果てに魔女化したオクタヴィアに対し、杏子は自らの命を賭してソウルジェムを砕き、最期を共にすることを選びました。「独りぼっちは、寂しいもんな」という言葉と共に交わされた最期の救済は、絶望の物語の中で唯一無二の純粋な救いとして描かれています。