ネット上の一部では「二人は最後まで仲が悪かったのではないか」という誤解が散見されます。しかし、一次資料を綿密に追跡すると、二人の関係は明確なステップを踏んで成熟しています。
実弥が義勇を嫌っていた最大の理由は、義勇の「傲慢に見える態度」でした。家族や仲間を奪われ、文字通り命を削って鬼を狩ってきた実弥にとって、柱合会議で一歩引き「自分はお前たちとは違う」と口にする義勇は、仲間を軽視する不届き者に見えていたのです。
しかし、最終決戦の極限状態の中で、実弥は義勇の覚悟が本物であることを肌で理解します。無惨戦において、実弥が投げ渡した日輪刀を義勇が受け取り、互いの刀を激突させて「赫刀(かくとう)」を顕現させたシーンは、二人の呼吸と闘志が完全に同期した証左でした。
戦いが終わった最後の柱合会議(第204話)において、産屋敷輝利哉の解散宣言を受けた二人は、互いに目を合わせ、穏やかな笑みを浮かべます。そこには初期のトゲトゲしさは一切なく、全てを背負い、生き抜いた男たちの深い敬意が満ちていました。