ビールと並び、舌の肥えた常連客が熱い視線を注ぐのがトリトン日本酒銘柄の構成だ。回転寿司店では大手酒造メーカーの汎用パック酒が供されるケースも散見されるが、トリトンでは寿司との親和性を計算し尽くした北海道の銘酒が一合瓶を中心にラインナップされている。
特筆すべき隠れた人気銘柄が、日本最北の造り酒屋として知られる増毛町・国稀酒造の「国稀(くにまれ)」である。暑寒別岳の伏流水を仕込み水に使用した国稀は、極めてキレの良い辛口が特徴だ。脂の乗った「炙り塩ハラス」や「とろニシン」を食した後に国稀の冷酒を一口含むと、口内の油分が瞬時に引き締まり、米の穏やかな芳香だけが余韻として残る。
また、旭川の名蔵「男山」の特別純米酒なども取り揃えられており、淡麗辛口の力強さが白身魚の繊細な風味をマスキングすることなく引き立てる。お酒単体で主張しすぎず、あくまで主役である寿司のポテンシャルを最大化させる地酒のキュレーションは、鮮魚を知り尽くした北見発祥のプライドが宿る部分と言える。