インターネット上の掲示板やSNSでは「生理中の性交なら避妊具がなくても大丈夫」という誤った情報が散見されます。しかし、産婦人科医の統一見解として、生理中の性行為であっても妊娠確率を完全にゼロとみなすことはできません。
その最大の理由は、精子と卵子の生存期間の重なりにあります。射精された精子は女性の体内(子宮頸管や卵管内)で約3日〜5日間にわたって受精能力を維持します。一方、月経周期が25日以下と短い方や周期が不規則な方の場合、生理が始まってから数日〜1週間程度で次の排卵が起こるケースがあります。生理の終わりかけに行った性行為で侵入した精子が体内で生き残り、早期に排卵された卵子と受精することで妊娠に至るパターンは決して珍しくありません。
さらに見逃せないのが、「排卵期出血」を生理と勘違いして性行為に及ぶケースです。排卵前後のホルモン変動によって生じる中間期出血や、ストレスなどによる不正出血を経血だと思い込み、避妊を怠った結果として受精してしまう事例が多数報告されています。「出血しているから安全」と判断するのは極めてリスクの高い行為です。