メディアやSNS上で絶賛される一方で、一般家庭の調理現場では特有の戸惑いの声も少なくない。大手料理コミュニティや知恵袋、直売所のアンケート等に寄せられた生のユーザー体験を精査すると、いくつかの共通する「ギャップ」が浮かび上がってくる。
最も多く見られる失敗談は、「サツマイモのように天ぷらや煮物にしたら、どれだけ火を通してもホクホクにならず水っぽくなってしまった」という声だ。前述の通りヤーコンにはデンプンがほぼ存在しないため、加熱しても粉質のホクホク感は生まれない。この特性を理解せずに「芋料理」の感覚で長時間煮込むと、繊維が崩れて食感が台無しになる。
また、「包丁を入れて放置していたら、わずか10分でナスのようにどす黒くなって家族に不審がられた」というトラブルも頻発している。料理の現場に立つプロのシェフによると、「ヤーコンは鉄製の中華鍋や包丁を使うと、鉄分とポリフェノールが反応して一段と黒ずみやすい。ステンレス製の包丁を用い、切ったら間髪を入れずに酢水へ落とす導線を確保することが基本」と指摘されている。