どれほど優れた毒餌であっても、設置場所を10センチ誤るだけでアリは素通りします。昆虫学的な行動習性を踏まえた配置のセオリーを押さえることが不可欠です。
まず厳禁なのは、アリの行列の真上に容器をドスンと置くことです。アリは極めて繊細な触角で障害物を感知するため、通行動線の真ん中に巨大なプラスチック物体が現れると警戒フェロモンを出して迂回してしまいます。アリの巣コロリの置き場所は、行列の「進行方向の真横数ミリ〜数センチ」に沿わせるように置くのが鉄則です。また、巣穴の位置が特定できている場合は、巣穴から50cm以内の動線上に配置すると持ち帰りのサイクルが劇的に加速します。
次に、室内侵入における部屋の中での使い方です。キッチン、洗面所、サッシの隙間などからアリが侵入している場合、生ゴミや調味料の残りカスが周囲にあるとアリの関心が分散します。設置前に周辺を徹底的に清掃し、他のエサ源を断つ「エサの競合排除」を行ってください。巾木(はばき)の継ぎ目や壁沿いに密着させて設置し、アリが容器側面のガイドスロープへ自然に誘導される動線を作ることが成功への鍵となります。
屋外設置で最大の障壁となるのが降雨です。アリの巣コロリは水防構造を謳っていますが、豪雨による冠水や跳ね返りの泥水には耐えられません。内部のベイト剤に雨水が浸入すると、顆粒がドロドロに溶けてカビが発生し、アリは一切食べなくなります。雨の日の対処法としては、あらかじめ雨が直接当たらない軒下や植木鉢の陰を選ぶか、プラスチックトレーや植木鉢の受け皿を斜めに被せて簡易的なレインカバーを作ることが極めて効果的です。水没してしまった容器は、薬剤が劣化しているため潔く新品に交換してください。