神谷哲史の超複雑折り紙の世界|龍神3.5の折り図と現在の神業を徹底解剖

神谷哲史の超複雑折り紙の世界|龍神3.5の折り図と現在の神業を徹底解剖

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神谷氏の膨大なレパートリーにおいて、名実ともに最高峰として世界中にその名を轟かせているのが「龍神3.5」です。東洋の龍をモチーフにしたこの作品は、角や髭、爪、そして胴体を隙間なく覆い尽くす数千枚の鱗(うろこ)に至るまで、正方形一枚の不切(ハサミを入れない)一枚折りで完全に再現されています。

国内外の折り紙愛好家がもっとも熱望する「龍神3.5の折り方」ですが、結論から言えば、一般的な市販折り紙本のように1ステップずつ順番に図示された「折り図」は出版されていません。その理由は極めて物理的かつ構造的なものです。もし全工程を線画の折り図として描き起こせば数千コマを超え、1冊の分厚い専門書が丸ごと埋まるほどの膨大な情報量になってしまうためです。

現在、龍神3.5の制作に挑む上級者は、折り筋の配置を示した「展開図(Crease Pattern)」を読み解く神谷哲史展開図解説や講習資料を頼りに、自力で立体化を進める手法を取ります。使用する用紙は、一般的な15センチ角の折り紙などでは物理的に折り込むことが不可能です。通常は2メートル四方(200cm×200cm)に及ぶ特注の薄手和紙やホイル紙をリビングやアトリエの床一面に広げ、膝をつきながら気の遠くなるようなプレクリース(事前折り筋付け)を繰り返します。

気になる折り紙龍神完成時間ですが、展開図を熟知したプロ級の技術を持つ愛好家であっても、準備から仕上げの成形までに50時間から100時間以上を費やすのが通例です。指先の微細な摩擦や紙の伸び、糊止め(ウェットフォールディング等による固定)のタイミングなど、あらゆる要素が完璧に噛み合わなければ、途中で紙が破断して数週間の苦心が水泡に帰す過酷な領域です。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。