ネット上の簡易なハウツー記事で「今日の日付はTODAY関数を入れるだけで簡単!」と安易に紹介されているケースが散見されますが、ここには現場を混乱に陥れる深刻なトラップが潜んでいます。実務担当者が絶対に理解しておくべきなのが、エクセルTODAY関数と固定値の違いです。
「=TODAY()」と記述する関数は、シートの再計算やファイルの起動が行われるたびに、パソコンの現在時刻を参照して日付を上書きする揮発性の動的データです。したがって、2026年4月1日に作成した請求書にTODAY関数を埋め込んで保存した場合、同年5月10日に印刷や再確認のために開くと、発行日が勝手に「2026年5月10日」へと化けてしまいます。取引先との契約トラブルや監査上の不備を招く原因となるため、過去の証跡を残すべきセルでは、ショートカットキーによる固定値入力か、計算結果を値として貼り付けるエクセル日付自動更新防止方法の徹底が不可欠です。
もう一つの大きな混乱要因が、エクセル日付シリアル値変換の真相です。日付を入力したはずなのに「46113」といった謎の5桁の数字が表示されたり、逆に計算式を入れたら日付形式になってしまったりして慌てた経験を持つ人は多いはずです。エクセルの内部構造において、日付は文字ではなく「1900年1月1日を起点(数値の1)として、そこから何日経過したか」を表す整数(シリアル値)として処理されています。
画面に「2026/04/01」と見えているのは、エクセルが裏側のシリアル値「46113」に対して「日付用の仮面」を被せているだけに過ぎません。セルが予期せず5桁の数字になった場合は、データが壊れたのではなく、セルの書式が「標準」に戻って素顔のシリアル値が露出しただけです。慌てて手打ちで修正するのではなく、書式設定を整えるだけで瞬時に元の表示へと復元できます。