郷ひろみ『2億4千万の瞳』数字の謎と誕生秘話!愛され続ける真の理由

郷ひろみ『2億4千万の瞳』数字の謎と誕生秘話!愛され続ける真の理由

郷ひろみ『2億4千万の瞳』数字の謎と誕生秘話!愛され続ける真の理由の概要と注目ポイントをわかりやすく整理しました。

楽曲の制作陣には、80年代ヒットチャートの最前線を走っていた二人の巨匠が起用されました。作詞を手掛けた売野雅勇と、作曲を担当した井上大輔です。二人が創り上げた『2億4千万の瞳』の誕生秘話には、従来の歌謡曲の文法を破壊する鮮やかなクリエイティブの勝負がありました。

売野雅勇が手掛けた歌詞の意味を読み解く上で最大の鍵となるのが、「自国をオリエンタルな異国(エキゾチック)として捉え直す」という逆転の発想です。通常、観光キャンペーンの歌詞といえば風光明媚な景色や旅立ちの哀愁を描くのが定石でした。しかし売野は、経済大国へと駆け上がる東京のネオン街や、めくるめく人間模様そのものを「エキゾチック・ジャパン」と定義したのです。

「出逢いは億千万の胸騒ぎ」というあまりにも有名なフレーズは、国鉄側から提示された数字の重苦しさを吹き飛ばし、聴く者のアドレナリンを一瞬で沸騰させるポップアートへと昇華させました。インタビューや回想録において売野は、郷ひろみという稀代のスターが持つ華やかさと、どこか影のある大人の色気を両立させる言葉選びに極限までこだわったと述懐しています。

そして井上大輔の旋律が、その言葉に疾走感を与えました。哀愁を帯びたマイナーコードのメロディラインを、重厚でファンキーなホーンセクションとアッパーなユーロビート調のリズム隊に乗せる手法は、当時の歌謡界において極めて先駆的でした。哀愁と情熱がせめぎ合うこの緻密な楽曲構成こそが、発売から数十年を経ても色あせないエネルギーの源泉となっています。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。