手足口病は単一の病原体ではなく、主にエンテロウイルス属に属する複数のウイルス感染によって発症します。代表的なものがコクサッキーウイルスA6(CA6)、A16(CA16)、そしてエンテロウイルス71(EV71)です。
近年流行が目立つCA6は、手足だけでなく前腕やお尻など広範囲に大きな水疱を作りやすいのが特徴です。一方のEV71は、後述する中枢神経系の合併症を引き起こしやすいタイプとして警戒されています。複数の原因ウイルスが存在するため、「数年前に一度かかったから免疫がある」と思っていても、異なる型のウイルスに感染すれば何度でも再発します。
主な感染経路は、感染者の咳や会話時の飛沫を吸い込む「飛沫感染」、ウイルスが付着した手で粘膜を触る「接触感染」、そしておむつ交換やトイレ後の手指を介した「糞口感染」の3つです。特に子どもを看病する親は、おむつ交換やよだれの拭き取りを通じて濃厚接触するため、家庭内での二次感染発生率は極めて高くなります。