理由がはっきりしないのに心臓がドキドキしたり、胸の奥がざわついたりする現象は、感情の正体を心理学のアプローチで見ると非常に興味深いプロセスです。心理学では、身体的な覚醒(心拍数の上昇や胸の圧迫感)が生じた後、脳がその理由を後付けで解釈する「情動の二要因論」が知られています。
「この気持ちは何だろう」という心理状態は、身体が受け取った強い刺激に対して、脳がまだ明確な名前(ラベル)をつけ切れていない過渡期に起こります。思春期における感情の揺れはもちろんのこと、環境が大きく変わる時期や新しい挑戦を前にしたときにも生じやすい反応です。胸のざわつきの正体は、未知の体験や誰かへの強い関心に心が反応し、自分自身が大きく変化しようとしている証拠といえます。