酒屋やクラフトビール専門店で1本500円〜800円を超えるようなプレミアムビールを手に取った際、裏面の一括表示に「品目:発泡酒」と記載されていて驚いたことはないでしょうか。「高級なのに発泡酒?」と疑問に思うかもしれませんが、ここには日本の酒税法ならではのからくりがあります。
独創的な香りを追求するクラフトブルワリーでは、スパイス(山椒、柚子、シナモン、コリアンダー等)やハーブ、フルーツ果汁、さらにはコーヒー豆や牡蠣のエキスなど、多彩な原料を投入します。しかし、日本の税法で定められた「ビールの副原料リスト」に含まれない素材を使用したり、麦芽重量の5%を超える副原料を投入したりすると、どれだけ麦芽比率が高く製造コストがかかっていても、法律上はすべて「発泡酒」に分類されてしまうのです。
つまり、スーパーに並ぶ節約志向の発泡酒と、自由なレシピで仕込まれたクラフト系の発泡酒は、法律上の分類こそ同一ですが、その製造意図や中身は全くの別物と言えます。