ネット上の掲示板やSNSでは、「東京一極集中が進む現代において、地方旧帝大に行くよりも早慶やMARCH上位に進学した方が就職に有利ではないか」という議論が定期的に巻き起こります。しかし、この言説には構造的な誤解が含まれています。
大手企業の総合職採用データを精査すると、地方旧帝大(東北大・九大・北大)の卒業生は、首都圏の学生と全く同等以上の待遇で東京本社の選考に進んでいます。現在ではWeb面接が完全に定着したため、かつて地方学生のハンデとされていた「就活の交通費・宿泊費の負担」は大幅に軽減されました。
さらに見落とされがちなのが、教員1人あたりの学生数と学費に対する研究環境の投資額です。私立大学の多くは教員1人に対する学生数が20〜30人程度であるのに対し、旧帝国大学では教員1人あたり学生数が数人から10人未満に抑えられています。少人数教育と潤沢な実験設備という教育の質において、地方旧帝大が提供する価値は依然として圧倒的です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
高等教育社会学およびキャリア形成の観点から、旧帝国大学への進学が向いている人と慎重に検討すべき人の基準を提示します。
- 旧帝国大学への進学をおすすめできる人:
- 大学院進学(修士・博士課程)を見据え、本格的な研究活動に打ち込みたい人
- 国立大学の標準学費で、国内最高水準の研究設備・少人数指導を享受したい人
- 大手メーカーの研究開発職、総合商社、官公庁(国家公務員総合職)などの難関進路を目指す人
- 慎重に検討すべき人:
- 学生生活において首都圏のカルチャーやスタートアップ環境でのインターンに日常的に触れたい人
- 文系就職において「東京での人脈形成や課外活動」を最優先したいと考えている人(※この場合は早慶上智等との比較検討が有効)