ペースメーカーを入れた人の寿命は?余命の真相と長生きできる理由

ペースメーカーを入れた人の寿命は?余命の真相と長生きできる理由

ペースメーカーを入れた人の寿命は?余命の真相と長生きできる理由についての真相をお届けします。

ネット上のコミュニティや知恵袋などで頻繁に見受けられる「ペースメーカーを入れると余命が短くなる」という噂は、医学的な観点から言えば完全な誤解です。この噂が広まる背景には、「重い心臓病を抱えているから機械を入れる=余命幾ばくもない」という短絡的な因果関係の混同が存在します。

循環器専門医の臨床解説によると、ペースメーカーが治療対象とするのは、主に脈が異常に遅くなる「洞不全症候群」や心臓の電気信号が途絶える「完全房室ブロック」といった徐脈性不整脈です。これらは放置すれば脳への血流低下による失神発作や、心停止による突然死を招く極めて危険な病態です。ペースメーカーは心臓の拍動を24時間監視し、脈が途切れた瞬間だけ微弱な電気パルスを送って心臓を安全に動かします。つまり、病気によって縮まるはずだった寿命を、機械の力によって「同世代の平均寿命レベルまで押し戻している」というのが正確な実態です。

日本循環器学会などの報告や臨床追跡調査においても、弁膜症や広範囲の心筋梗塞といった重篤な合併症がない限り、ペースメーカーの平均余命は健康な同年代の集団と統計的に有意な差がないことが確認されています。心臓というエンジン自体の力(心ポンプ機能)が保たれていれば、ペースメーカーを入れたこと自体を理由に余命を宣告されるような事態は起こり得ません。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。