「ヘナタトゥーとは自然由来だから絶対に安全」という認識には、致命的な誤解が含まれています。消費者庁や厚生労働省、さらには海外の保健機関(米FDAや英国国民保健サービスNHSなど)が長年にわたり警鐘を鳴らし続けているのが、ヘナタトゥー危険性の真相、とりわけ「ブラックヘナ」と呼ばれる危険な薬剤の存在です。
植物由来の本物のヘナは、どれほど高濃度に抽出しても「オレンジ色から赤褐色、濃い茶色」にしか発色しません。「本物のタトゥーのように真っ黒に染まる」「わずか30分で濃く仕上がる」と謳う製品や施術には、酸化染毛剤として用いられる化学物質「パラフェニレンジアミン(PPD)」や工業用染料が高濃度で不正に添加されているケースが大半です。このブラックヘナのPPDアレルギーこそが、国内外で皮膚科医を震撼させている主因です。
PPDは市販の白髪染め等にも使われる成分ですが、医薬部外品として頭皮への使用基準が厳格に定められており、直接皮膚へ塗布することは薬機法上も極めて危険視されています。取材に応じた皮膚科専門医は次のように警告します。
「観光地の露店や無許可サロンでブラックヘナを施された数日後、塗布した部位が赤く腫れ上がり、デザインの形そのままに巨大な水ぶくれや化学熱傷を起こして救急搬送される患者が後を絶ちません。最悪の場合、火傷のようなケロイド瘢痕が一生残るだけでなく、一度PPDに対するアレルギー抗体が体内に形成されると、将来ヘアカラー剤を使っただけでアナフィラキシーショックを起こすリスクを生涯背負うことになります」
トラブルを未然に防ぐためには、施術前の確認が不可欠です。信頼できるアーティストを選ぶことはもちろん、ヘナタトゥーパッチテスト方法を正しく実践してください。腕の内側などの目立たない部位に少量のペーストを塗り、絆創膏を貼って48時間放置します。この間に赤み、かゆみ、腫れなどの異常が一切出ないことを確認して初めて、広範囲の施術に進むのがプロの現場における鉄則です。