新生児のうんちの回数は1日に何回が正常なのか。「急に出なくなった」「回数が多すぎるのではないか」と思い悩む保護者は後を絶ちません。厚生労働省の乳幼児身体発育調査や小児科臨床データによると、新生児うんちの1日何回の目安は、生後0〜4週において1日に1回〜10回前後と極めて広範囲に分布しています。この幅広い個人差を生み出す主因が、与えている栄養源の組成です。
母乳とミルクでのうんち回数の違いは、消化・吸収プロセスの差異に起因します。母乳にはオリゴ糖や乳糖が豊富に含まれており、これらが赤ちゃんの腸内で善玉菌であるビフィズス菌を優位にし、腸の蠕動運動を活発化させます。その結果、母乳栄養の赤ちゃんは水分を多く含んだやわらかい便を、授乳のたびに少しずつ排泄する傾向が顕著です。一方、調製粉乳(育児用ミルク)は母乳成分に極力近づけて作られているものの、乳清タンパク質とカゼインの比率や脂肪酸の構造が異なるため、腸内での滞留時間がやや長くなり、便の水分が適度に吸収されて1日数回〜1日1回程度にまとまりやすくなります。
このように、栄養方法の違いによって正常値の幅は大きく異なります。したがって、育児アプリの平均値や他家庭の記録と比較して「回数が多すぎる」「少なすぎる」と一喜一憂する必要はありません。