酒やけとは?声が枯れる本当の原因と元の声に戻す治し方を徹底解説

酒やけとは?声が枯れる本当の原因と元の声に戻す治し方を徹底解説

酒やけとは?声が枯れる本当の原因と元の声に戻す治し方を徹底解説とはどのようなものなのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。

酒席の翌日に声が太く低くなり、かすれたハスキーボイスの理由は、声帯の物理的な「質量」と「硬さ」の変化で説明がつきます。楽器の弦をイメージしてください。太くて重い弦を緩く張ると低い音が出て、細くてピンと張った弦を弾くと高い音が出ます。

アルコールには血管を広げる作用があるため、微小血管が豊富な声帯の粘膜下層(ラインケ腔)に水分や血液成分が過剰に染み出します。これが声帯浮腫(声帯のむくみ)です。水ぶくれのように膨張して分厚くなった声帯は重くなり、振動数が激減します。男性の通常ピッチ(約100〜130Hz)がさらに低下するだけでなく、特に変化が顕著なのが女性の酒やけ声です。女性の通常ピッチ(約200〜240Hz)から一気に男性並みの低音へと落ち込み、粘膜が均一に閉じなくなるため隙間から息が漏れ、かすれたガラガラ声となって周囲に響くことになります。

一晩の深酒による浮腫であれば数日で引くケースが多いものの、飲酒と喫煙、酷使が何年も続くと、声帯のむくみが固定化するポリープ様声帯へと移行します。ラインケ腔全体に水様性の組織液が恒常的に滞留し、両側の声帯がソーセージのように膨らみ切ってしまう病態です。こうなると、禁酒しても自然には元の声に戻らず、全身麻酔下での外科手術(喉頭微細手術)が必要になるケースも珍しくありません。

さらに近年、消化器内科および耳鼻咽喉科の共同研究で注視されているのが、胃酸逆流による嗄声(咽喉頭逆流症:LPRD)です。アルコールは食道と胃をつなぐ「下部食道括約筋」を弛緩させます。飲酒後にラーメンや揚げ物などの脂っこい食事をとってすぐに横になると、強い酸性を持つ胃液や消化酵素ペプシンが食道を逆流し、酸に対して極めて脆弱な声帯の後部を直撃します。翌朝起きたときに喉が焼けるように痛み、声が全く出ないという事例の裏には、この就寝中の胃酸アタックが大きく関与しています。

山田 真由
著者

山田 真由

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