SNSやネット掲示板の相談窓口では、耳元の異臭に苦しむ切実な告白が絶え間なく投稿されています。大手コミュニティサイトの投稿傾向を分析すると、「ピアスのキャッチを掃除したらドブの臭いがした」「彼氏に耳元を囁かれたときに臭わないか怯えている」「枕カバーに黄色いシミと異臭がついていた」といった生々しい体験談が数多く見受けられます。
特に目立つのが、匂いを気に病むあまり誤った対処へ走ってしまう悲惨なパターンです。ある利用者は「臭いを消そうと毎日アルコール綿で強く擦り、市販の液体消毒液を流し込み続けた結果、耳たぶ全体が真っ赤に腫れ上がり浸出液で枕を汚す事態になった」と自著ブログで後悔を綴っています。
都内の美容皮膚科クリニックに勤務する看護師は、次のように臨床現場の実態を明かします。「『ピアスホールが化膿して悪臭がする』と駆け込んでこられる患者様の約半数は、感染症ではなく、過剰な物理摩擦と薬品による接触皮膚炎を起こしています。良かれと思って行った自己流の殺菌行為が、組織の自己修復を妨げ、悪臭物質を閉じ込める瘢痕(はんこん)組織を作る悪循環に陥っているケースが目立ちます」。現場の観察データが示すのは、恐怖心からくる過剰ケアこそがトラブルを長期化させているという動かしがたい現実です。