キャラクターの命とも言える「黒目」「まつ毛」「微笑む口元」などの極小パーツを美しく切り出すには、適切な道具選びと刃物の運針技術が欠かせません。家庭用の一般的なキッチンバサミで1ミリ単位の曲線を切ることは、構造上ほぼ不可能です。
まず揃えるべきは、医療用や手芸用をルーツに持つ先細・薄刃のスプリングハサミ、または眉毛切りバサミです。刃先がミリ単位で噛み合い、視界を遮らない形状のものが理想的です。ハサミを使って曲線を切る際の鉄則は、「ハサミを動かすのではなく、海苔側を指先でゆっくり回転させる」という点に尽きます。刃を静止させ、海苔を迎え入れるように回すことで、ガタつきのない滑らかな円弧を描くことが可能になります。
さらに、直線や鋭角な切り込み、微細な抜き文字を攻略するなら、文房具のデザインカッター(アートナイフ)が威力を発揮します。オルファ社などに代表される刃先角度30度の替刃を装着し、カッターマットの上で海苔を彫刻するように切り抜きます。このとき、刃を寝かせすぎると海苔を押し潰してしまうため、刃先をマットに対して約60度の角度で立て、引き切るように運ぶのが最大のコツです。