埼玉県立高校入試における最大の注目ポイントは、「第2志望の相互乗り入れ(スライド合格制度)」の存在です。所沢北高校の合否ボーダーラインを語るうえで、このシステムを無視することはできません。
理数科(募集定員40名)に出願した受検生は、出願時に「第2志望として普通科を希望する」を選択できます。もし理数科の合格枠から漏れた場合でも、普通科のみを第1志望としている受検生と合算された選抜枠の中で、点数が上回っていれば普通科に合格(スライド合格)できる仕組みです。
取材に応じた地元進学塾の進路指導責任者は、次のように証言します。
「普通科を単願している受検生にとって、最も脅威となるのが理数科からのスライド合格組です。理数科で惜しくも数点届かなかった高得点層が普通科の合格枠を奪っていくため、結果として普通科の合否最終ボーダーラインが引き上げられるという現象が毎年発生しています。これが『普通科と理数科で実質的な差が詰まっている』と感じられる最大の理由です」
さらに、埼玉県公立入試の調査書換算比率において、所沢北高校は第1次選抜で「学力検査:調査書」の比率を「6対4」、第2次選抜では「7対3」に設定しています。当日点重視の配分であるため、内申点が36〜37程度とやや控えめであっても、学校選択問題で手堅く得点できれば大逆転が十分に可能です。逆に、内申点がオール5に近い受検生であっても、当日の数学・英語で大崩れすれば不合格の憂き目に遭うシビアな設計になっています。