Q1:精神的ストレスが極限までたまると、健康な人でもてんかんにかかりますか?
A1:脳に何一つ器質的・遺伝的な素因がない健康な人が、単に精神的ストレスを受けただけで「脳の電気的異常を伴う真のてんかん」を発症することはありません。ただし、極度のストレスは脳の興奮を抑えるバリアを弱めるため、過去の微小な脳外傷や隠れた脳血管障害などの火種を顕在化させる強力な引き金になります。また、脳波異常を伴わない心因性非てんかん発作(PNES)であれば、健康な脳であっても深刻なストレスを機に発症することがあります。
Q2:意識を失わずに「手足が一瞬ピクッとする」「一瞬ぼーっとする」だけでもてんかんの可能性はありますか?
A2:十分に考えられます。成人てんかんの多くは「焦点発作(部分発作)」から始まり、意識が完全に保たれる発作(焦点意識保持発作)や、数十秒だけ生返事になる発作(焦点意識減損発作)が存在します。朝起きた直後に手足がビクッと跳ねて物を落とす「ミオクローヌス」も立派な発作症状の一つです。疲れや寝不足のせいにせず、脳神経内科で脳波検査を受けることを推奨します。
Q3:目の前で大人が倒れてけいれんを始めた場合、周囲は何をすべきですか?
A3:まず「安全の確保」と「時間の計測」を行ってください。頭の下に柔らかいタオルを敷き、周囲の危険物を遠ざけます。首元のネクタイやボタンを緩めて呼吸を楽にさせ、吐瀉物(としゃぶつ)による窒息を防ぐため顔を横に向けます。絶対にやってはいけないのは、口の中にタオルや指をねじ込む行為です。舌を噛み切ることは稀であり、窒息や指の切断事故につながります。発作が2〜3分以上続く場合、意識が戻らないまま連続して起きる場合、呼吸が戻らない場合は直ちに119番通報してください。
Q4:抗てんかん薬は一度飲み始めたら一生飲み続けなければならないのでしょうか?
A4:必ずしも一生涯とは限りません。成人発症の症候性てんかんでは長期的な服薬継続が推奨されるケースが多いですが、発作が完全に消失した状態で数年間(一般的には2〜5年間)経過し、脳波検査でも異常放電が見られなくなった場合、医師の厳密な管理のもとで薬を徐々に減量・中止できるケースもあります。独断での中断は極めて危険なため、必ず主治医と相談しながら治療計画を進めてください。