住宅地から一歩足を伸ばし、親水公園や山林へ出向いた際に出会うオレンジ色の鳥たちにも固有の鑑別点が存在します。
カワセミ(お腹がオレンジ・背中が鮮青)の水辺での特徴
「背中が青でお腹がオレンジの鳥」という特徴だけを聞くと、前述のイソヒヨドリとカワセミが混同されがちです。しかし、この2種は生息環境と体型シルエットが根本から異なります。
カワセミは清流だけでなく、都市部の親水公園の池や護岸河川にも広く生息しています。体長は約17cmですが、そのうちのかなりの割合を長大で鋭利なクチバシが占めており、尾羽は極端に短い「ずんぐりむっくり」とした独特のフォルムです。背中は構造色による鮮やかなエメラルドブルーからコバルトブルーに輝き、お腹は見事な橙色を誇ります。
「水面に飛び込んで小魚を捕獲する」「水辺の杭やアシの茎に静止している」という状況であれば、100%カワセミと判断できます。ビル街やコンクリート建造物の屋上で見かけるイソヒヨドリとは、観察されるロケーションが完全に分かれています。
アカハラの鳴き声とキビタキの生息地・季節ごとの生態
薄暗い雑木林の地上でカサカサと落ち葉をかき分けているツグミ大の鳥がいれば、それはアカハラの可能性が高いと言えます。上面は地味な褐色ですが、脇腹からお腹にかけて明るいオレンジ色が広がり、下腹部の中央だけが白く抜けているのが特徴です。
アカハラの真価はその鳴き声にあります。繁殖期には「キョロン キョロン ツィー」と鈴を転がすような極めて澄んだ美声で朗々とさえずり、地鳴きでは「ツィー」「キョッ キョッ」という鋭い警戒音を発します。主に初夏は高原や北日本で繁殖し、冬になると暖地の平地林や都市近郊の大規模公園の茂みへと移動して越冬します。
一方、初夏の新緑シーズン(5月〜7月)に広葉樹林の梢で輝くのがキビタキです。オスは上面が引き締まった黒色で、眉斑とお腹が目の覚めるようなレモンイエロー、そして喉から胸元にかけてが燃えるような橙色に染まります。「ピッコロロ、ツクツクオーシ」と複雑かつ高らかに歌い上げる日本有数の美声の持ち主であり、夏鳥として南の島から渡ってきます。都市部でも春の渡りの通過期には緑豊かな公園の木立で一時的にその姿を目撃できます。