良かれと思って始めたケアが、かえって事態を悪化させてしまうケースには共通した落とし穴があります。臨床現場で最も多く目にする外反母趾テーピングで痛みが悪化する理由は、テープを極限まで強く引っ張って親指を外側に力尽くで戻そうとする「過剰牽引」です。
テープを100%の力で引っ張って貼ると、親指の付け根の関節(第1中足指節関節)に異常な捻じれ応力が加わります。外反母趾の足先は長年の負担で関節包や靭帯が脆弱になっており、強引な矯正力は内部の炎症(滑液包炎)を急速に悪化させます。また、足の甲を締め付けすぎると毛細血管や神経が圧迫され、足先が冷たくなったり痺れが生じる危険すらあります。「引っ張るのは3〜4割の力、端は引っ張らずに乗せる」という力加減の厳守が何より重要です。
また、昨今注目を集める外反母趾テーピング100均活用法についても検証が必要です。ダイソーやセリアなどの大手100円均一ショップでも、スポーツ用やヘルスケア用の伸縮性キネシオロジーテープが手軽に入手できます。検証の結果、短時間の歩行やテーピングの練習用としては100均製品でも十分な支持力を発揮することが確認されています。ただし、医療用メーカー品に比べて粘着剤の通気性にバラつきがあり、汗をかいた際に蒸れやすい個体も見られます。
そこで必須となるのが徹底したテーピングとかぶれ防止対策です。テープを貼る前には足の皮脂や汚れをウェットティッシュ等で拭き取り、完全に乾燥させてください。剥がす際は皮膚を押さえながら、毛の流れに沿ってゆっくりと折り返すように剥がすのが鉄則です。皮膚がデリケートな方は、貼る前に市販の皮膚保護スプレーやワセリンを極薄く馴染ませておくことで、皮膚トラブルの発生リスクを大幅に低減できます。