若い層が外見上の悩みから縮む方法を模索する一方で、中年期以降における意図しない身長の短縮は、身体からの危険信号です。加齢で身長が縮む理由の主因は、椎間板の水分保持能力の低下と、骨密度の激減にあります。
椎間板は加齢とともにコラーゲンの変性が進み、水分を蓄えるクッション性能が徐々に失われます。これにより、病気がなくても40代以降は10年ごとに1cm程度のペースで緩やかに身長が低下することが一般的です。しかし、数ヶ月から数年のスパンで2cm以上急激に縮んだ場合は、加齢現象ではなく疾患を疑わなければなりません。
その代表格が、骨粗鬆症による圧迫骨折です。骨粗鬆症によって骨の強度が著しく低下すると、重い物を持ち上げたり、尻もちをついたりした程度の軽微な衝撃で、背骨の椎体がつぶれて平らになってしまいます。恐ろしいのは、明らかな激痛を伴わずに骨が徐々に圧潰していく「いつの間にか骨折」が多発することです。痛みがないまま背骨がいくつもつぶれ、気づいた時には3cm〜5cmも背が縮み、背中が丸まってしまう事例が後を絶ちません。
その他、身長が縮む病気の詳細まとめとしては、以下のような疾患が挙げられます。
- 脊椎圧迫骨折:骨粗鬆症を基盤とし、椎体が潰れることで背骨全体の長さが短縮する。
- 変形性脊柱症:椎間板の変性により骨棘(骨のとげ)が形成され、背骨の配列が崩れる。
- 成人期側弯症・後弯症:筋力低下と骨変形により、背骨が左右や前後に大きく曲がる。
- 強直性脊椎炎:脊椎の関節に慢性的な炎症が起き、骨同士が癒合して姿勢が固定化する。
もし若い頃のピーク時から2cm以上背が低くなっていることに気づいたら、放置は禁物です。身長が縮んだ時の病院の診療科は、まず「整形外科」あるいは専門の「骨粗鬆症外来」が適しています。精密なX線検査や、骨の強度を正確に測るDEXA(デキサ)法による骨密度検査を受けることで、潜在的な骨折の有無や骨の脆弱性を早期に特定できます。