突然物が二重に見える外転神経麻痺の真実|脳の病気や糖尿病リスクと治癒

突然物が二重に見える外転神経麻痺の真実|脳の病気や糖尿病リスクと治癒

突然物が二重に見える外転神経麻痺の真実|脳の病気や糖尿病リスクと治癒の全貌を詳しく解説してご紹介します。

外転神経麻痺の原因は多岐にわたりますが、臨床統計において最大の頻度を占めるのが糖尿病性神経障害との関連に起因する「微小血管虚血」です。 糖尿病や高血圧が長期間続くと、全身の細小血管に動脈硬化が生じます。外転神経は細長い神経線維の束であり、その内部は微小な血管網によって酸素や栄養を供給されています。この微小血管が閉塞して虚血状態に陥ると、神経細胞が一時的に仮死状態となり、外直筋への命令伝達がストップするのです。中高年の発症例では、過去に「境界型糖尿病」と指摘され放置していた人が、ある日突然の複視で発症するパターンが後を絶ちません。 しかし、安易に「生活習慣病による神経虚血」と自己判断することは極めて危険です。その背後には、生命に直結する脳動脈瘤や脳梗塞の疑いが常に潜んでいるためです。 解剖学的に、外転神経は脳幹(橋)から起始した後、頭蓋底の骨に沿って走り、「ドレロ管(Dorello's canal)」と呼ばれる狭い骨のトンネルを通過して海綿静脈洞へと入ります。この頭蓋内を縦断する長い走行経路ゆえに、脳圧の変動や周囲の圧迫を真っ先に受けやすいという脆弱性を抱えています。 脳幹部に小さなラクナ梗塞が生じた場合や、内頚動脈が海綿静脈洞内で動脈瘤を形成して神経を物理的に圧迫している場合、あるいは頭蓋内腫瘍(髄膜腫や神経鞘腫)が存在する場合にも、初発症状として外転神経麻痺が現れます。さらに、脳圧が病的に上昇する頭蓋内圧亢進症では、長い神経が物理的に牽引されることで、脳の病変部位とは離れた位置で両側性の麻痺が発生することさえあります。

山田 真由
著者

山田 真由

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。