左右の総腸骨動脈は、数センチメートルほど下行したのち、さらにそれぞれ2つの重要な血管枝へと分岐します。それが「内腸骨動脈」と「外腸骨動脈」であり、両者の担う役割と血液の送り先には明確な違いが存在します。
内腸骨動脈は骨盤の深部へと入り込み、膀胱、子宮や前立腺などの生殖器、直腸、そして臀部(お尻)の筋肉群へ血液を供給します。一方の外腸骨動脈は骨盤の縁に沿って大腿部へと向かい、鼠径靭帯の下を通過した時点で「大腿動脈」と名前を変え、太ももから足先までの広範な下肢全体に血液を送り届けます。
どちらか一方に狭窄や閉塞が生じるだけでも、歩行障害や臀部の冷感、重篤な虚血症状を引き起こす原因となります。