インターネット上や懐かしの映像特集などで時折紹介される細木数子の昔の写真を目にした人々からは、「まるで女優のようだ」「凛とした目元と引き締まった輪郭が美しい」と驚きの声が絶えない。当時の白黒写真やセピア色のショットに写し出されているのは、洗練された着こなしと、どこか物憂げでありながら強い意志を宿した瞳を持つ、目を見張るほどの美女である。
彼女の若き日は、決して平坦なものではなかった。東京・渋谷に生まれ、戦後の混乱期の中で育った彼女は、十代半ばから自立の道を歩み始める。持ち前の度胸と鋭い直感力を武器に、20代にして早くも大人の社交場へ進出。そこから彼女の破天荒な伝説が幕を開けることとなった。