岩倉高校運輸科が他の追随を許さない最大の理由は、鉄道業界との100年以上にわたる強固なパイプラインです。一般の普通高校では1社あるかないかの大手鉄道会社からの高卒求人票が、岩倉高校には毎年分厚い束となって届きます。
近年の主な就職先企業には、東日本旅客鉄道(JR東日本)、東京地下鉄(東京メトロ)、東武鉄道、西武鉄道、京成電鉄、京王電鉄、小田急電鉄、東急電鉄、京浜急行電鉄、相模鉄道といった首都圏主要キャリアがずらりと並びます。さらに東海旅客鉄道(JR東海)をはじめとする地方中核私鉄や、日本貨物鉄道(JR貨物)、鉄道保線・信号技術を手掛ける大手設備エンジニアリング企業まで網羅されています。
取材に応じた運輸科OB(現・大手私鉄駅務係)は、現場の就職指導について次のように振り返ります。
「運輸科に入れば自動的に運転士や駅員になれるわけではありません。面接練習での立ち居振る舞いや、鉄道業界で最も重視される『安全確認呼称』『時間厳守』『身だしなみ(頭髪・制服の着こなし)』に対する指導は極めて徹底していました。高校生のうちから社会人としてのプロ意識を叩き込まれたことが、企業の採用担当者から評価されているのだと就職してから痛感しました。」