趣里の名を全世代に知らしめた最大の出来事といえば、NHKの連続テレビ小説『ブギウギ』でのヒロイン抜擢だろう。戦後の大スター・笠置シヅ子をモデルとしたヒロイン・花田鈴子役を演じるにあたり、求められたのは圧倒的な歌唱力と躍動感あふれるダンス、そして激動の時代を生き抜く強い生命力だった。
連続テレビ小説のオーディションには数千人規模の応募があったとされるが、制作陣を射止めたのは彼女の持つ泥臭い情熱と卓越した表現力だった。幼少期のバレエ経験を活かしたしなやかな動きと、血の滲むようなヴォーカルトレーニングが生んだ歌声。劇中で披露された「東京ブギウギ」のパフォーマンスは、世代を超えて日本中に勇気を与えた。現在でもNHKオンデマンドなどで見返される名作として、彼女のキャリアにおける金字塔となっている。