デビュー以前、彼女は自身の姿を明かすことなく、モノクロの映像とともに名曲のカバーを次々と投稿していた。YouTubeというオープンなプラットフォームでありながら、徹底的に削ぎ落とされた映像美と歌声だけで勝負するスタイルは、口コミを中心に爆発的な支持を獲得していく。
素顔を隠した謎めいた存在感は、むしろ歌声そのものが持つ圧倒的なクオリティを浮き彫りにした。ネットの海から躍り出た一人のアーティストが、現代のJ-POPシーンを代表する唯一無二のバラードシンガーへと駆け上がっていったプロセスは、デジタル時代における新たなスター誕生のモデルケースとなった。