浜松町・大門エリアが「もつ焼きの聖地」と称される最大の理由は、港区港南に位置する芝浦食肉市場(芝浦と場)との物理的な近さにあります。全国から選び抜かれた極上の牛・豚が集まる芝浦から、その日の早朝に解体されたばかりの新鮮な内臓肉が、わずか数十分の移動で浜松町の厨房へと運び込まれます。
内臓肉の美味しさは、何よりも「スピード」と「温度管理」で決まります。時間が経つほどドリップが出て風味が損なわれるホルモンですが、浜松町の有力店では「芝浦直送の朝締め肉」をその日の午後に一本一本手打ちで串打ち。包丁を入れた瞬間に角がピンと立つ極上レバーや、弾力と脂の甘みが際立つシロ、カシラ、ハツが当たり前のようにカウンターに並びます。
もちろん、鮮度だけに頼っているわけではありません。血抜きの徹底、部位ごとにミリ単位で変えるカッティング、炭の火力を自在に操る焼きの手腕。市場の恵みを受け止め、最高の状態に昇華させる職人の矜持があるからこそ、浜松町のもつ焼きは他エリアの追随を許さない圧倒的な支持を集めています。