スタジオの空気が、彼女が足を踏み入れた瞬間に一変する。現場を長年共にしてきたスタッフが語る山口智子の素顔は、まさに「男前」という言葉がしっくりくる大胆さと、細やかな思いやりの融合だ。
大声を張り上げて現場を強引に仕切るわけではない。どんなにハードなスケジュールであっても弱音を一切吐かず、監督やスタッフと対等な目線でアイデアを出し合う。差し入れひとつをとっても、自ら現地で吟味した本物の味を気負いなく差し入れ、若いスタッフにも気さくに声をかける姿が頻繁に目撃されている。威圧感とは無縁のフラットな立ち振る舞いこそが、周囲の士気を自然と引き上げる魔法なのだ。