形式的な視察にとどまらない。それが彼女の公務スタイルだ。車いす利用者や視覚障がい者、子どもたちの支援施設を訪れる際、彼女は決して遠巻きに眺めたりはしない。車椅子に腰掛けた利用者の目線までスッと身をかがめ、同じ高さで会話を交わす。ときには予定時間を大幅にオーバーしながらも、一人ひとりの声に耳を傾け続ける姿が現場では語り継がれている。
かつて日本赤十字社に勤務していた経歴を持つ彼女にとって、社会福祉活動は単なる公務上の「分担」ではなく、自らのライフワークそのものだ。現場で使われている福祉機器の使い勝手や、スタッフの労働環境にまで質問が及ぶこともしばしば。実務を経験した者ならではの具体的かつ鋭い着眼点に、施設関係者が驚かされる場面も少なくない。