テクノロジーによる過剰な監視と人間性の喪失を描いた人気SFドラマ『ブラック・ミラー』。かつてディストピアとして視聴者を震撼させたあの世界観が、今や現実の日常を侵食しつつある。NetflixやHBOといった動画配信サービスで話題を呼ぶ数々の社会派ドキュメンタリー番組でも、街頭や密室に溢れるカメラが人々の心理に与える負の影響が相次いで取り上げられている。
「安全」という大義名分のもとで、私たちがどこまで自分の身体と空間の所有権を監視システムに譲り渡してしまうのか。一度許容した監視の目は、決して自発的に縮小することはない。トイレという最も無防備にならざるを得ない場所でのカメラ設置問題は、単なるマナーや防犯の議論にとどまらず、私たちがどのような社会を選択するのかという根本的な問いを突きつけている。